「花たびそうや号」(JR北海道)について

トピック談話室

メーリングリストで話題にのぼった「花たびそうや号」について、書いておきますね。

コロナ禍で、2021年は運行中止となり、2022年にやっと初運行!
今年2023年は2回目のシーズンとなり、車両も1両増えて、なんと4両になりました。
昨年の人気ぶりをふまえて増結されたそうですが(4両中の3両が指定席)、それでも販売開始からわずか数十秒で完売したそうです。
山紫水明号に、北海道の恵み号が連結されて、なんだか壮観。
ただ、停車駅によってはプラットホームの長さが足りず、後ろの車両のドアが開かないという(ドアカットと呼ばれているそうです)……。

感激したのは、旭川駅ホームでの案内表示。
えらく凝っていて、「歓迎したい!」という思いがびしびしと伝わってくるものでした。
JR北海道の皆さまの心意気に感激です。

私は最後尾の車両(4両目・旭川側)に乗り込んだのですが、そのベンチシートには記念撮影用パネルが用意されていました。
入れ代わり立ち代わり、たくさんの方が撮影してらっしゃいました。
パネルだけを撮る方もいれば、横に座る方、座って膝に乗せる方、2人で持つ方などさまざま。

私の役割は、乗客の皆さんに三浦綾子文学をご紹介することです。
旭川駅から乗り込みますが、出番は比布ぴっぷ駅から和寒わっさむ駅の間。
昨年は下り列車(土曜)・上り列車(日曜)ともに実施しましたが、今年は下り列車のみとしました。
途中に塩狩駅がありますので、前編・後編に分けてのアナウンスです。
駅間はそれぞれ10分以上ありますが、発車直後や到着直前は、列車としてのアナウンスがありますので(これはJRの車掌さんがします)、私の持ち時間は正味それぞれ5〜6分といったところでしょうか。

前編では、三浦綾子が『氷点』や『塩狩峠』を書いた作家であることや、旭川駅近くに「外国樹種見本林」があり、近くを「美瑛川」が流れ、そこが『氷点』の舞台であることなどを枕に、『塩狩峠』の作品のこと、「塩狩温泉」のこと、最近になってその付近が公園として整備されたことなどをご紹介しました。

後編では、『塩狩峠』執筆中に始まった“口述筆記”のことや、三浦綾子・光世夫妻が鉄道で取材旅行に出かけていたこと、そこから想起される“旅と文学”のことなどをお話しました。

アナウンスは、乗務員室のマイクを使ったのですが、大きな受話器(昔の黒の固定電話機のイメージ)で話すような感じで、この受話器がとても重たい。そして、話す際にはスイッチを押すのですが、話している最中はずっと押し続けなければならないのです。これが意外と大変で、指がつりそうになるのですね。ですので、段落毎に指を離したりして、指を休めながら話すという妙なテクニックが身につきました。

今年は、5月13日(土)、20日(土)、27日(土)、6月3日(土)の計4回、アナウンスをさせていただきました。放送終わりで拍手をいただけた日もあり、嬉しいというか、小っ恥ずかしいというか。でも、ありがたく、貴重な機会でした。

車窓としては、永山までは市街地、比布周辺は田園地帯、蘭留以降は山間部と、それぞれ大きな変化が楽しめます。停車駅ではそれぞれに歓迎の催し物があり、記念品の販売などもあったりして、“特別な旅行”の気分をたっぷり味わえます。

2023年5月27日 和寒駅にて

私は、和寒で下車。ここですれ違いとなる普通列車(H100形)に乗って旭川へ帰ります。
同時発車なので、普通列車の車内から花たびそうや号をお見送り。良い旅を!

というわけで、2023年のアナウンスについて備忘録として書き留めました。
来年も運行されるといいな。アナウンスがあるかどうかはわかりませんが、ご依頼があればお引き受けいたします!
では、また。

難波真実
2023.09.24 更新

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